毎日手肌を洗うために使う石鹸。お肌にトラブルをお持ちの方は、自分の肌に合う石鹸選びにも苦労されている方も多いと思います。そうした中、口コミで広まり多くの方が愛用しているのが「坊っちゃん石鹸」という無添加石鹸です。製造・販売を展開されている株式会社畑惣商店様は、宮城県仙台市で1901年(明治34年)に創業した老舗企業。
同社は、どのような思いでビジネスを展開し、ECサイトでの販路拡大にどのような思いをお持ちなのでしょうか。代表取締役の畑 惣太郎様とEC事業を手掛ける諸伏 昭和様にお話をお伺いしました。
ACROVEでは現在、株式会社畑惣商店様の展開するAmazonでの販売をサポートさせていただいています。

”地域が誇れる製品の灯を消してはならない”
廃業危機の「坊っちゃん石鹸」の事業を継承

ー畑惣商店の創業から「坊っちゃん石鹸」の事業を展開するまでの歩みについて教えてください。

畑 様:畑惣商店は1901年に米穀類の販売から事業を始め、石油・石炭の販売や不動産事業なども展開してきました。私で5代目になります。一方、「坊っちゃん石鹸」は同じく宮城県で創業した「東北石けん」という会社が1923年に事業を開始し、当時私たちはビジネスで関わりがあったのではなく、家族代々ユーザーとして「坊っちゃん石鹸」を愛用する立場でした。
しかしその後、縁があり東北石けんさんが工場の老朽化や後継者不足といった廃業の危機に直面しているという話を伺い、“宮城で誕生し、純粋無添加で素肌にやさしくどんな用途にも使える高品質な石鹸がなくなってしまうのは惜しい。地域が誇れる製品の灯を消してはならない。”という思いから、2009年に「坊っちゃん石鹸」の商標・製造技術を継承する形で畑惣商店が「坊っちゃん石鹸」の事業を手掛けることになりました。「坊っちゃん石鹸」は2024年に誕生から100年を迎えますが、これからさらに100年、いいものを次の世代に継承していくのが私たちの目標です。

ー「坊っちゃん石鹸」の事業を継承されてから、製品そのものの製造は約100年前と変わらない形で続けていらっしゃるのでしょうか?

畑 様:製品のサイズを、より使いやすいコンパクトな大きさにしたりといった変化や、「坊っちゃん石鹸」は元々洗濯石鹸として販売されたのですが、非常に手肌に優しく手洗いにも体洗いにも使えるというお客様からの声が多くありましたので、化粧石鹸として販売するために工場を化粧品製造の基準に準拠させたりといった変化がありました。この基準への準拠に向けた設備投資が大変でしたが、“「坊っちゃん石鹸」を次世代に受け継いでいきたい”という思いから経営判断をしていきました。一方で、原料やその配合、基本的な製法は約100年に渡り一切変えていません。

ー現在はEC通販も手掛けていますが、かつてはどのような形で「坊っちゃん石鹸」の評判が広まっていったのでしょうか?

諸伏 様:かつて製品は問屋に卸していたので私たちが直接お客様に商品を販売するということはなかったのですが、店頭でご購入いただいた方が気に入ってくださり、その後に知人や親戚などに贈答用として「坊っちゃん石鹸」を贈られたりしたことで、評判が広がっていきました。こちらから何かプロモーションをしたということではなく、お客様が発信者になってくださり口コミだけでこれまでお客様に広まっていきました。その後、自社でホームページを立ち上げたり、直販できる通販サイトを開始したりして全国からご注文をいただくようになりましたが、北海道や九州など遠方から注文が入ると「いつか誰かから贈られた坊っちゃん石鹸を気に入ってくださったのかな」と感慨深い気持ちになりますね。

ー改めて、2024年に100年を迎える「坊っちゃん石鹸」への思いなどをお聞かせください。

畑 様:「坊っちゃん石鹸」は添加物を一切使わない肌に優しい、地球に優しい石鹸で、手肌だけでなく食器洗いや洗濯など幅広い用途に使える汎用性の高い製品ですので、「一家にひとつ、いろんな用途で」という形で多くのご家庭でお使いいただきたいと思います。

ノウハウなきまま伸び悩んだAmazonでの販売を
どう立て直すか

ー「坊っちゃん石鹸」は、かつては問屋への卸売が中心だったとのことでしたが、そこからECモールでの販売に舵を切っていった経緯や背景について教えてください。

諸伏 様:当社では10年ほど前からホームページを運営してネット通販を行なっていましたが、実際には自社サイトだけですと「坊っちゃん石鹸」をご存知の方、「坊っちゃん石鹸」を購入したい方しか来訪してくれません。3年前には自社通販サイトをリニューアルしてさらに購入しやすくしたのですが、それでも「坊っちゃん石鹸」をご存知でない方に接触する機会がなかなかなく、販売は伸び悩んでいました。そうした課題を抱える中で、「純米酒粕石鹸」という新製品を出すのを機に「Amazonや楽天といったECモールを活用できないのか」という話が挙がり、様々な調査・検討した結果、Amazonでの販売をスタートすることになりました。
ただ、全ての配送業務を自社で賄うことが難しくフルフィルメントサービス(FBA)を利用することを考えたところ、主力製品である「坊っちゃん石鹸 太郎」ではFBAの手数料が高く安価な商品が高額になってしまうことがわかりました。そこで、比較的商品単価の高い「純米酒粕石鹸」からAmazonでの販売をスタートすることになりました。

ーAmazonでの販売を開始して、当初の成果はいかがでしたか?

諸伏 様:いざ販売を始めてみたものの、EC販売の素人がAmazonに出品しただけでは、思った以上に売れなかったというのが正直なところです。しかも、Amazonとの新規取引だったため大口契約で商品を登録する必要があり、開始から6ヶ月ほど経って「どう考えても赤字だ」ということになったのです。その後収支を改善するために小口契約に切り替えたりもしたのですが、そもそも売上をアップさせるための方法がいまいちわからない。そうした中で、商品を仕入れてAmazonで販売したいといういわゆる“せどり”目的のショッパーの方や、「せどりでの値崩れを元に戻せます」というコンサル会社などから問い合わせが来るようになり、そのタイミングでACROVEさんからもコンタクトいただきました。

高い目標を掲げ、
転売者対策や販売ページ改善などにより売上は約20倍に

ーACROVEからコンタクトをした当時、どのような印象を持ちましたか?

諸伏 様:他社のお話を聞いていると「Amazonで値崩れを元に戻す方法、あります」というお話に終始することが多かったのですが、ACROVEさんはそこからさらに「売上をアップさせるためにはこんなことができる」という事業プランの部分にまで踏み込んで話をしてくれました。そこでいろいろなノウハウを教えていただき「値崩れを防ぐだけではなく、ここまでやらないと販売数は伸びないのか」という発見があったのです。教えていただいたノウハウはネットで調べても出てこないようなものですし、実際の経験もないのでわからないことだらけ。ACROVEさんはそこをわかりやすく説明してくれて、数値目標も立ててくださいました。
もちろん、ACROVEさんとの協業に不安がなかったのかというと、正直ありました。しかし、やらないとどうにもならない、自社サイトや卸売だけではビジネスが成長しないという危機感もありました。Amazonや楽天といったECモールを活用した販売ルートの拡大は、避けて通れない道だった。当初は低調だったAmazonでの販売を、なんとか軌道に乗せなければなりません。そうした思いからACROVEさんと協業することになり、まずは“せどり”を解消するために転売出品者の整理をするところからスタートさせたのです。対策した転売出品者はトータルで50件ほどにもなり、当初は値崩れも酷かったのですが、現在では価格も適正になっています。

ー対策を講じたため転売出品者はほぼゼロになり、現在では販売を伸ばすための商品ページの改善や広告の運用などをサポートさせていただいています。ACROVEがサポートする以前と比較して、売上にはどのような変化がありましたか?

諸伏 様:Amazonでの販売を開始した当初は「純米酒粕石鹸」しか販売していなかったので単純な比較はできませんが、売上規模だけを見ると単月比較で10倍から20倍くらいには成長、Amazonプライムデーに合わせた施策の成功などもあり、徐々に売上がアップしました。この成果には非常に満足していますが、ここからさらにACROVEさんとの協業で売上を伸ばしていきたいですね。間もなく1年契約の終了時期なのですが、ぜひ契約更新して今後も高い目標を目指していければと思います。

商品を本当に必要としている全国の方々に
「坊っちゃん石鹸」を届けたい

―宮城・仙台から「坊っちゃん石鹸」を全国に拡大させていこうとする中で、御社にとってEC通販ビジネスの位置づけや意義をどのように考えているのか教えてください。

諸伏 様:実はこの「坊っちゃん石鹸」は、皮膚科の先生がアトピー性皮膚炎の患者さんにお勧めしていただいているんです。この石鹸を必要としている方、お肌の悩みをお持ちの方は宮城・仙台だけでなく全国にいらっしゃいます。「坊っちゃん石鹸」を本当に必要としてくださる方がいらっしゃる限り、私たちは商品を提供し続けたい。これまで、全国各地で「坊っちゃん石鹸」を目にする機会というのはなかなか作れませんでしたが、ECサイトを活用してこれまで知らなかった方々の目に触れることによって、お肌の悩みをお持ちの全国の方々に「坊っちゃん石鹸」を届けることができれば、それが理想的なのではないかと思います。問屋に卸すだけでは全国に流通することは難しく、自社サイトだけでは「坊っちゃん石鹸」を知らない方の目に触れる機会は少ない。そうした中、肌にいい石鹸を探している方々と巡り合う機会として、ECモールでのビジネスは大きなポテンシャルがあるのではないかと思います。

―最後に、商品を必要とする全国の方々に「坊っちゃん石鹸」を届けたいという強い思いがあるなかで、今後ACROVEに期待することをお聞かせください。

畑 様:現在当社ではECサイト、ECモールだけでなくSNSの公式アカウントなども運用してマーケティングを行なっていますが、その部分でもノウハウが少なく効果的な運用ができていないという課題もあります。ACROVEさんにはECモールの運用だけでなく当社のネット上の様々なチャネルにいろいろなアドバイスをいただき、ネットマーケティングをさらに改善していってほしいと思います。

諸伏 様:これから一緒にさらに売上を伸ばしていきたいのはもちろんですが、今後は売れ筋商品である「坊っちゃん石鹸 太郎」だけでなく、新商品である「純米酒粕石鹸」の売上も拡大していきたいですね。Amazonで取り扱っている商品全体で売上の底上げをはかり、全国各地で多くの方に当社の製品をお使いいただきたいと思います。

―弊社担当者も、「坊っちゃん石鹸」や「純米酒粕石鹸」を使っているのですが、もう他の石鹸には戻れないほど愛用させていただいております。この思いを大切にしながら、様々な施策を展開して全国各地の方々に商品の魅力を伝えていき、売上アップに貢献できればと思います。本日はありがとうございました!

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