岐阜県中津川市に本社を置き、和菓子職人が作った匠の味が光る最中アイスシリーズ「中津川市之瀬」や、全国の食材を厳選し素材の美味しさを存分に引き出したジェラート「NIPPONのジェラート極」といった商品ブランドを自社ECサイトやAmazonなどのECモールで展開する、ドリームジャパン株式会社の市之瀬優矢様にお話をお伺いしました。ACROVEはAmazonにおける広告運用、クリエイティブの改善をはじめとした商品ページのチューニングなどをサポートさせていただいております。

(お写真、左から弊社青木、市之瀬優矢様)

不景気を乗り越え、ジェラート事業で会社の夢 実現へ

ーまずはドリームジャパンの創業から現在までの歴史について教えてください。

市之瀬 様:2012年9月に創業したドリームジャパン、以前より別事業で人材派遣を展開していたのですが、リーマンショックによる不景気により厳しい状況に直面しました。市況の変化に強いビジネスを模索し、新しい事業を立ち上げようという考えから、社長の市之瀬隆の強みを活かせるカフェ事業を「ドリームジャパン」として立上げました。

カフェ事業は地元である岐阜県から立ち上げ、多治見市などに店舗を出し、その後順調に拡大し、さらにはベトナムにも進出しました。しかし、各店舗の状況や景気の影響、最近ではコロナ禍の影響を受け、カフェ事業の売上は安定しませんでした。そこで、多治見市の店舗で大変好評だったジェラートアイスに着目し、2016年頃からOEMビジネスを開始しました。結果としてジェラートアイス事業が成功し、現在はカフェ事業を縮小してジェラートアイス事業に重点を置いて展開しています。

ー「ドリームジャパン」という会社名にはどのような思いが込められているのでしょうか?

市之瀬 様:社長の話によれば、「夢は見るもの」であり、「Dreamは叶えるもの」という認識があるようです。社長は“人を幸せにできる仕事がしたい”、“人々のDreamを叶えていける会社にしよう”という思いから、会社名「ドリームジャパン」となりました。この社名には人々の夢を実現するという思いが込められています。岐阜県の地元愛も強く、商品ブランド「中津川市之瀬」も中津川から全国へ商品を提供したいという意志が込められています。

全国の高品質な食材の旨みを活かし、
OEMや自社商品を開発

ー現在手掛けられているジェラートアイスの商品開発について教えてください。

市之瀬 様:当社ではOEMで商品開発し、農家などの生産者と協力してジェラート事業を展開しています。例えば、いちごだけでも20種類以上のジェラートを製造し、全国の高品質な食材を使用し、OEMや自社ブランドで商品開発を行なっています。

特に「中津川市之瀬」の「NIPPONのジェラート『極ーきわみー』あまおう」は、全国の流通ルートでは出回らない完熟したあまおうを活かし、香料や着色料不使用の、地元の人しか知らない“あまおう本来の美味しさ”が味わえる商品に仕上がっています。食材の特徴を活かしながら「どうやって美味しいジェラートに仕上げるか」を徹底的に追求してきました。試行錯誤を繰り返し、生産者の意見も取り入れながら商品開発しています。

ー美味しさの追求に交渉から商品開発までとてもこだわりを持って取り組まれているんですね!もうひとつの看板商品である「中津川市之瀬 和栗最中アイス」についてもぜひ教えてください。

市之瀬 様:岐阜県中津川市は「栗のまち」であり「栗きんとん発祥の地」としても知られています。中津川の栗を使用し、商品開発を試み、その結果生まれたのが「中津川市之瀬 和栗最中アイス」です。

ただ、全国で一般的な最中アイスとの競争力を高めるため、ジェラートアイスと特製の栗餡を最中で挟んだ独自のスタイルを生み出しました。素材や甘味のバランスについて試作を繰り返しながら2年以上かけて商品開発していきました。

生産ラインを強化し、EC販売で新境地を切り拓く

ー始めはどのような販路で販売していたのでしょうか?

市之瀬 様:主にコンビニ販売でした。地元銀行の商談会で東海3県のコンビニエリアマネージャーに気に入ってもらったことで、高価な商品にも関わらず取り扱っていただくことになりました。東海3県全店舗で展開する在庫のオーダーは全部で約15万個でしたが、当時の生産量は1日あたり200個程度しかなく流石に対応できないため、まずは岐阜県内の一部店舗から5,000個で販売開始しました。すると、すぐに在庫は完売。次第に増やして拡販することになりました。

その後、愛知の「小倉マーガリン最中アイス」や、三重の「ほうじ・伊勢茶 最中アイス」など、東海3県の特色を生かした商品を展開しています。コンビニだけでなく、百貨店や航空会社の機内通販などでも販売し、ブランドの醸成に努めています。

ーECでの直販を開始したのは、いつごろだったのでしょうか?

市之瀬 様:元々「中津川市之瀬」は実店舗を展開しておらず、これが弱点となっていました。例えば、お客様とのコミュニケーションが不足し、その結果お客様のニーズ把握、商品の改善にも遅れが生じました。この課題を克服すべく、コンビニに納品する商品を生産しながら、2020年に自社ECサイトの立ち上げ、そしてAmazonでの出店を開始し、ネット上に実店舗を持つという意味合いも込めて直販の強化に取り組んでいます。

ーEC立ち上げ当時はどのような体制で運用していたのでしょうか?

市之瀬 様:当時、社内にはECに詳しい社員がほとんどいなかったので、自社サイトの立ち上げやECモールでの展開、商品画像の撮影や商品ページの作成まで全て私ひとりで学びながら行っていました。ECモールへの出店手続きや商品ページの設定はとても複雑でしたので、ネットでの検索を頼りに解決策を見つけながら進めていきましたね。

そんな中で、売上の不安定さが課題でした。ACROVEと協業するまではずっと1人で運用していました。コンビニに納品する商品の製造管理や営業活動など、様々な業務を兼任しており、多忙になるとECのフォローまで手が回らず、結果的に更新が滞り売上が落ち込んでいってしまいました。なんとかしないといけないという課題意識はあったものの、そこに予算を掛けられるほど利益も生まれていなかったというのが、当時の大きな課題でした。土日にも出社してECをテコ入れした時期もありましたね。

ACROVEの戦略的アプローチが決め手に
昨対比、売上1.5倍に成功

ーACROVEと協業する以前にもEC運用のコンサル会社から営業などを受けていたのでしょうか?

市之瀬 様:Amazonに出店した直後にはたくさんの営業電話を受けていましたね。「SEO対策で検索結果の上位に来ますよ」「御社の商品がもっと目立つようになりますよ」といった内容の営業が多かったですね。そうしたコンタクトをたくさん受けている中で、ACROVEからもご連絡をいただきました。

ーACROVEと協業することに至った「決め手」はなんだったのでしょうか?

市之瀬 様:これまでの課題は、「出店はできたが、他社と差別化して売上を伸ばすためにはどのように改善していけばいいのか」というものでした。調べてみても、「SEO対策をしましょう」くらいしかわからず効果も出ない。SEO対策を実際にしてみて一時的に効果があったとしても、それが継続的な売上向上に繋がらないことが分かり、ここからどのように進めるべきか悩んでいました。

こうした中、ACROVEは他社と違って、提案段階から今後の売上計画を明確に提示してくださり、精鋭で伴走する形を取って自信をもって売上向上を提案してくれた姿勢にとても好感が持てました。東京と岐阜という離れた関係でしたが、不安はなかったですね。コロナ禍の時期に、オンラインで密にコミュニケーションができ、良い影響をもたらしました。

ーACROVEを選んでいただきありがとうございます!協業をスタートさせて、運用面、売上面でどのような効果を感じていますか?

市之瀬 様:まず、私の仕事は大幅に楽になりましたね。生産管理や営業活動に専念できる環境に変わりました。1人で運用していた当時は、どんなことでも「やってみよう」とトライしましたが、「やってみる」ことと「成功する」ことは違いますよね。効果を生み出すことができなかったEC運用をACROVEというプロの方々にお任せしたことで、結果を生み出すこともできています。夏季の売上を見ると、なんと昨対比約1.5倍以上という実績となりました。ACROVEにお任せして本当によかったと実感しています。毎月の定例会で疑問が解消され、運用に関する方針も共有でき、非常に助かっています。

感動と成長のECビジネス
お客様とお手紙で繋がる、将来への大躍進

―Amazonを始め、ECビジネスを展開してよかったと思うことはどんなことですか?

市之瀬 様:当社の商品がメディアで取り上げられた際、購入したいと思うお客様がすぐに購入できる場所としてECを展開できたことは素晴らしかったですね。以前は卸売のみでしたが、一般の方が商品を知ってくれて、購入したいと思った時にすぐに手に入る場所が用意されているというのはとても大きな進展です。

またお客様の中には当社まで喜びのお手紙やお電話をくださる方もいます。ECのサポートで対応させていただいたお客様から手書きのお手紙をいただくこともあります。ECの導入によりお客様からのお手紙の数も増え、とても嬉しい驚きです。改めてECをやってよかったと実感する瞬間ですし、モチベーション向上にも繋がっています。

―御社のビジネスにおいて今後ECビジネスはどのような位置付けになっていくでしょうか?

市之瀬 様:将来的には、当社の主力事業をECビジネスに重点的に移行していきたいと考えています。現在、売上におけるECの比率は約25%で、半数以上はコンビニをはじめ小売店への卸売ですが、このECの比率を売上全体の50%をはるかに超えるところまで成長させたいですね。そのためには、AmazonなどのECモールに限らず、自社ECサイトにもしっかり集客していくことも、今後の課題だと考えています。Amazonだけでなく楽天市場など他のECモールも含め、多岐にわたる選択肢を検討していく予定です。

―デジタルの時代に手書きのお礼が届くなんて本当に素敵ですね!最後にこれからACROVEに期待することについてお聞かせください!

市之瀬 様:今でも十分に成果を生み出すサポートをしていただいていますので、今後はより収益性の高い形で、ACROVEとの協業を進めていきたいです。そのためには売上の更なる成長が欠かせませんので、ACROVEと一緒に、より効果的な販売戦略を構築していただきたいです。ブランド認知度と販売数が拡大し、お互いの持ち味を活かし協力し合いながらシナジーを生み出していければと期待しています。

―青木さん、市之瀬様の言葉を受けて、改めてドリームジャパンをご担当されたときの気持ちと、今後の更なる売上拡大に向けた抱負を聞かせてください。

青木:アイスはどうしても時期要因が絡んでくる商品なのですが、ご支援させていただいた1月から夏の繁忙期に向け、商品ページの最適化や基盤を整えた結果、徐々に売上を伸ばし、夏の売上は昨対比150%まで到達しました。今後の拡大に向け、閑散期の安定的な売上確保+繁忙期の売上最大化の2軸での展開になりますが、Amazonの運用にとどまらず、通年需要のある新商品の開発や、冬にも売れるアイスとしての販売戦略など様々な部分をサポートさせていただきたいと考えています。

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