モルトンブラウンジャパン株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役会長:内山 智子、以下 モルトンブラウンジャパン )は、英国発のフレグランスブランド「Molton Brown(以下 「モルトンブラウン」のアジアリージョン統括会社として、日本およびアジアの直営店舗やECサイト、ホテル向けアメニティ事業などを通じて、個性豊かな香りとラグジュアリーなブランド体験をお客様に提供しています。
ACROVEは、ECモール運営・CRMなど、デジタル分野におけるブランド戦略の推進をサポートしています。
今回は、モルトンブラウンのEC戦略に込められた想い、ACROVEとの連携によって生まれた具体的な成果、そしてブランドが見据えるこれからの展望について、お話を伺いました。
英国発ラグジュアリーフレグランスメイカー、
ブランド体験の幅を広げるOMO戦略
‐まずは、ブランドについてご紹介をお願いします。
モルトンブラウンジャパン 本多様:モルトンブラウンは、1971年にロンドンで誕生した、ブリティッシュスタイルを象徴するフレグランスメイカーです。オードパルファンや、オードトワレ、バス&ボディ、ヘアケア、ホームフレグランスなど、一部の雑貨を除き、現在でも英国で作られていて、”Made in England“のこだわりを大切にしています。
昨年の秋から、「Artists of Note」と題した取り組みを通じで、アートをきっかけにブランドとお客さまとの新しい出会いを生み出しています。
また、「Molton Brown Village」というホテルやレストラン、劇場などのラグジュアリーな空間にブランドのタッチポイントを設けることで、興味喚起を促し、店頭やECへの来店・訪問につなげています。こうした施策は、モルトンブラウンならではのOMO戦略として、ブランド体験の幅を広げるものになっています。

リアルとデジタルの共鳴
――ブランドのファンを増やすECへの挑戦
‐多様なタッチポイントを創出されているとのことですが、EC展開に至ったきっかけについて教えてください。
本多様:お客様のライフスタイルが多様化する中で、ブランドを体験し、購入できる場をデジタル上にも設ける必要があると考えました。
現在、東京に2店舗、愛知に1店舗、兵庫に1店舗の計4店舗を直営展開しています。これらの店舗は、モルトンブラウンの世界観を多面的に体験いただける、ブランドにとって重要な拠点です。
一方で、全国どこでも、いつでも商品を閲覧・購入できる場として、自社ECサイトを立ち上げ、リアルとデジタルのシナジーを生み出すことを目指しました。
‐初めは自社ECサイトからスタートされたのですね。そこからECモールへと販路を拡大された経緯を教えてください。
本多様:楽天市場やAmazonといったECモールは、2019年から販売を始めました。両社は、それぞれ差別化されたサービスを展開しながら利用者を拡大しており、より多くのお客様との接点を持つためには、ECモールでの展開も必要だと考えました。
ちょうどその頃、楽天市場やAmazonでもラグジュアリーブランドの取り扱いが強化されていたこともあり、出店の後押しとなりました。
‐現在、自社ECとECモールをどのように使い分けていらっしゃいますか?
本多様:自社ECでは、ブランドの世界観やサービスを重視し、きめ細やかなギフト需要にも対応しています。丁寧な梱包サービスや、チャネル横断で利用できるポイントプログラム、オリジナルボックスを用いた発送など、モルトンブラウンならではの体験価値を提供しています。
楽天市場は、直販モデルになるため、自社ECと同様のブランド体験やサービスを、楽天ユーザーにもできる限りご利用いただけるよう運営しています。
Amazonは、利便性や物流面でのスピード感が大きな強みです。お客様のもとへ商品を迅速にお届けできる点は非常に魅力的であり、ブランドとしても重要な価値だと考えています。


‐EC運営で大切にされていることや、担当者として普段意識していることを教えていただけますか?
本多様:単にECの売上を伸ばすことではなく、ブランド全体の売上や価値をいかに高めていくかが重要だと考えています。そのうえで、「ECとしてできることは何か」を常に考えながら取り組んでいます。ECだけを優先してしまうと、ブランドの世界観や価値が損なわれてしまうこともあるため、ブランディングを最優先に考える視点は、EC運営において欠かせないと感じています。

ヴァルカナイズ・ロンドン青山店
自社ブランド運営ノウハウを活かした、現場視点によるリアルな支援
‐ブランド全体の価値向上を目指す中で、EC運営に外部パートナーを取り入れることになった背景を教えてください。
本多様:OMO戦略の中で、ECやデジタル領域において早急に実現したい施策やサービスのアイデアが数多くありました。それらをスピーディかつ効率的に実行するためには、EC運用スキルを持ち、ブランドと同じ目線で伴走してくれる外部パートナーが不可欠でした。
‐ACROVEとの出会いや、パートナーとして選んでいただいた理由を教えてください。
本多様:ACROVEさんとの出会いは、弊社の公式サイトの問い合わせフォームからご連絡をいただいたことがきっかけでした。
パートナーとして取り組みを決めた理由は、担当者のEC運用スキルの高さが伝わってきた点です。具体的にはクリエイティブ制作、広告運用、ツールの活用ノウハウなど、実務面での知見が豊富でした。さらに、私たちが抱えていた課題やアイデアに対して、明確な実行プランを提案してくれたことも大きな要因です。
私たちが重視するKPIや戦略に寄り添った提案内容であったため、ブランドと同じ目線に立ち、ともに成長しながらスピード感をもって伴走してくれるパートナーだと感じました。ACROVEさん以外にも、数社を比較・検討しましたが、スピード感やスキル・ノウハウの面で、ACROVEさんに強みがあると感じました。特にCRM領域などチャネルを横断した支援にも対応していただける点は非常に心強く、日々の運営において大きな助けとなっています。
‐ありがとうございます。ACROVEのメンバーより改めて支援内容を教えてください。
ACROVE 坪井:モルトンブラウン様には、デジタル分野全体にわたって一気通貫でご支援させていただいております。ECモールでは、Amazon・楽天市場・ZOZOTOWNの戦略立案から実際の運用までを一緒に進めており、自社EC領域では、メルマガやLINEを活用したCRM施策の企画から実行までを支援しています。
ブランド全体のマーケティング方針を踏まえたうえで、モルトンブラウン様が目指す方向性を理解し、同じ目線で伴走することを大切にしています。
‐LINEについてはACROVEからの提案がきっかけで運用がスタートしました。どのような狙いがあったのでしょうか?
ACROVE 岡野:ECモールの支援を開始してから約1年が経った頃に、LINE運用のご提案をさせていただきました。当時はギフトや特別な機会で購入されるお客様が多い印象で、リピーター層の継続購入にはまだ伸びしろがあると感じていました。メルマガの開封率が高いことに着目し、まだまだ熱量の高いファンが多いのではと考え、その層に向けた継続的なアプローチを強化する手段としてLINEという新たなタッチポイントをご提案しました。
本多様:ちょうどその時期は、CRM強化の狙いとして「ポイントプログラム」を立ち上げたタイミングで、LINEを顧客とのコミュニケーションツールとして活用したいと考えていた矢先に、ACROVEさんからご提案をいただきました。LINEを活用した施策の拡張性や、自社ECシステムとの連携によってポイントプログラムの利便性も向上できる点をご説明いただき、運用をスタートする決断に至りました。
‐全体を通して、導入後の成果はいかがでしょうか?
本多様:おかげさまで売上は拡大しており、施策やサービスのクオリティも向上したと思います。
LINEの友だち登録者数も順調に伸びており、開封率も高く、お客様とのコミュニケーションがより身近になった印象です。また、ご支援いただいたタイミングが自社ECサイトのシステム変更が必要な時期だったこともあり、不安を抱えていました。そんな中、ACROVEさんには密にコミュニケーションをとっていただき、相談にも乗っていただけたことで、精神的にも非常に助けられました。担当者の方が実作業まで担ってくださるため、意思疎通がスムーズで、施策の実行スピードも非常に早いと感じます。
さらに、ACROVEさんも自社ブランドを展開されているため、そこで培われた運用スキルが社内で共有されている点も心強く感じています。
ECの挑戦のその先へ
――ブランド全体で進むOMOのかたち
‐今後の展望について教えてください。
本多様:今後、当社で推進していきたい戦略のひとつが「Molton Brown Village」です。これは、お客様とのタッチポイントをさまざまなラグジュアリーな空間に創出することで興味喚起につなげ、店頭やECへ送客を図るという、OMO戦略です。いつでもどこでも閲覧できるECサイトの役割は非常に大きく、今後もブランド体験とサービスレベルのさらなる向上を追求していきたいと考えています。
また、モルトンブラウンジャパンはアジア圏への展開も積極的に進めており、現在は韓国、台湾、マレーシア、インドネシアに進出しています。今後も各国と地域の市場特性に合わせたブランド体験を提供しながら、グローバルでの成長を目指していきます。
‐今後ACROVEへ期待することを教えてください。
本多様:ACROVEさんには引き続き、デジタル領域のスピード感あふれる支援を期待します。
デジタルやECの市場変化はめまぐるしいため、ACROVEさんとチームを組むことで、効果的な施策をクイックに推進できることを今後も期待しています。
ACROVE 坪井:引き続き、EC領域でモルトンブラウンさんの可能性を提案・実行してまいります。モルトンブラウンさんが描く未来に伴走し続けたいと思います。

モルトンブラウンジャパン株式会社 本多様(左)
株式会社ACROVE 坪井(中央)
株式会社ACROVE 岡野(右)