今、EC販売で大きな成長を遂げているのが、愛知県で安政元年(1854年)から事業を展開する株式会社節辰商店です。節辰商店は、だしパック、つゆ、顆粒など鰹節関連商品の専業メーカーであり、乾物問屋、総合食品卸としても事業を展開しており、近年はEC事業にも注力しております。ACROVEでは、ECでの運用をさまざまな面から支援しています。今回は、代表取締役の勝田辰雅様に会社の歴史やEC事業への考えなどお話をお伺いしました。

(お写真、左から勝田辰雅様、石井藍太様)

安政元年に創業し、
170年以上に渡り節辰商店は歴史を刻み続けている

ーまずは、節辰商店の事業概要とこれまでの歴史について教えてください。

勝田 様:節辰商店は安政元年(1854年)に創業し170年以上の歴史がある食品メーカーで、私で6代目となります。創業当時は乾物、昆布、煮干しなどを中心に取り扱ってきましたが、その後鰹節の販売を開始すると、うどん店や蕎麦店などに商品を卸すようになり、ビジネスが拡大していきました。戦後には、アイデアマンだった祖父が「だしパック」を開発して食品メーカーとしても発展しました。また父の代には中華食材や冷凍食品など取り扱う品目を増やしていき、食品卸業としても成長してまいりました。

現在では、だしパック、つゆ、顆粒などを自社生産する東海地区最大級の専業メーカーでありながら、各種節類、昆布、しいたけ等を仕入販売する乾物問屋、外食産業に対して様々な食品を納入する総合食品卸としても事業を展開しています。

ー現在の主力商品は「だしパック」をはじめとするだし製品と麺つゆ「鰹たっぷりつゆ」だと思いますが、商品作りへのこだわりについて教えてください。

勝田 様:大きく2つあります。まずは、最高品質を適正価格でお客様に提供すること。商品に使用する鰹節は品質にこだわっていますが、それをお値打ち価格でお客様に提供し、リピート購入していただくことでお客様と10年、20年と関係を構築していくことが重要だと考えています。短期間に儲けを出そうとするのではなく、真面目に真摯に商売をして長いお付き合いを作っていくことを意識しています。

2つ目に、お客様に安心して食べていただける商品を提供することにもこだわっています。製造部門ではマネジメントシステムの国際規格ISO9001を取得したほか、研究開発部門では専門的な検査装置を導入するなど、品質管理を徹底しています。

EC販売をスタートし、お客様の更なる利便性向上へ

ーEC販売を開始した背景について教えてください。

勝田 様:個人消費者向けのEC販売は2000年初頭に開始しました。当時は店頭に来ていただくお客様も減少傾向で、その時点で店頭販売をさらに成長させるという考えもあまりありませんでしたので、店頭に来ていただくお客様をEC販売のお客様に転換していくという意図があったのです。開始当初から新しい売上の柱を立てようという意図があったのかというとそういうわけではなく、あくまでお客様への利便性としてオンラインで購入できる窓口を用意していこうという考えがEC事業のきっかけです。お客様が贈答用として商品を欲しい時に購入できる場所を用意しようという意図で2022年1月にAmazonの出店をスタートしました。

加えて、Amazonでは50点ほどの商品をラインナップして業務用商品の販売も行っているのですが、全国の個人経営の飲食店などでも商品を利用してもらえるのではないかという期待もありました。実際に、小規模飲食店からの注文は現在でも少なくありません。地方などでは卸売店の減少などを背景にして業務用の食材が仕入れにくい地域もあり、そうした地域のビジネスにも貢献できているのではないかと感じます。

契約の決め手は、
ACROVEの緻密な競合分析と実務経験でした

ー数あるコンサル会社からコンタクトがあったと思いますが、その中で私たちACROVEを選んでいただいた決め手はどのようなものだったのでしょうか?

勝田 様:ACROVEにコンタクトいただいた際、実は当初はお断りするつもりでお会いしたんです。ところが、ACROVEのプレゼン資料には競合他社の分析がこと細かく掲載されていて、その分析内容に大変驚かされました。またAmazonや楽天市場などECモールの運用についての知識も深く、ACROVE自身もコンサル事業の一方で自社ブランドを展開して通販事業も行っているので実務の目線でやりとりできる点も契約の決め手となりました。

ーACROVEを選んでいただきありがとうございます!元々EC運営、Amazonでのモール運用にどのような課題があったのでしょうか?

実は、ACROVEとご一緒する意図としては「見守っていてほしい」というものがあります。私たちが当初決めたロードマップに沿ってビジネスができているかを伴走して欲しいという意図ですね。もちろんスキルやノウハウのコーチングはしていただきつつ、私たちが目標にしているゴールにスケジュール通りたどり着けるようにサポートいただきたいと考えていました。

また、商品ページづくりの基礎については自分たちでもできていたのですが、応用については全くノウハウがありませんでした。そのためACROVEには、商品の魅力を存分に伝えるクリエイティブ作成やユーザーレビューの促進、細かい広告配信コントロールを活用した集客といった部分の施策運用、そしてその効果検証など、実際に手を動かして幅広くサポートいただきまして、大変助かりました。

ACROVEの支援により、
わずか1年で20数年分の売上規模を達成!

―現在は私たちACROVEがAmazonでの商品ページの改修や広告運用など幅広くご支援させていただいております!ACROVEと協業する前と比較すると、売上はどれくらい変化しましたか?

勝田 様:Amazonを開始する以前はEC事業全体では年間3,000万円規模で推移していましたが、ACROVEとの協業を始めた最近では、単月でAmazon経由の売上が300万円に迫る規模になってきています。なんと、EC事業の売上規模が倍に成長したことになります。これまでEC事業が20数年間で作り上げてきた売上規模をわずか1年で達成してしまったことに大変驚いています。本来ならばスーパーなどの小売店で購入するような食料品をこれほど多くのお客様がネットで購入するとは、当初は全く想像しておりませんでした。また、Amazonに出店する前は地元愛知県での売上が会社全体の9割を占めていたのですが、それが全国で売れるようになったことにも驚いています。

新たに楽天市場に進出し、通販事業の売上をさらに拡大

―ACROVEでは引き続き、楽天市場での運用も支援をスタートさせていただいておりますが、改めて楽天市場に販路を拡げるのはAmazonとは異なる効果を期待してのことなのでしょうか?

勝田 様:Amazonでの成功をバネに楽天市場への出店も本格的に始動しました。楽天市場とAmazonは、もちろん両方使う方もいると思いますが、ある程度の客層の違いというのがあるのではないかと期待しています。例えば、楽天市場は女性のユーザーの方が多いというデータもありますので、食品を取り扱う当社との親和性は高いのではないかと考えています。決済データを基にした情報になりますが、Amazonでは男性ユーザーが多い傾向にありますので、女性ユーザーとの接点を増やすことができれば、売上はさらに増えるのではないでしょうか。

―楽天市場とAmazonでは購買行動の傾向も異なるので、楽天市場の顧客の購買行動に合わせて商品展開や情報発信の施策なども一緒に検討していければと考えています。今後のEC事業の展開に向けて抱負をお聞かせください。

勝田 様:私たちにとって、自社ECサイトやAmazon、楽天市場などECモールへの出店は、新しい店舗を構えることと同じだと考えています。引き続き、EC販売を通じて全国のお客様に当社の商品をお届けしていきたいと思います。また、EC販売でのショッピングはデジタルリテラシーの高い若い人がするものだというイメージがあると思いますし、実際にAmazonでは若いお客様の開拓に成功しましたが、一方で頻繁に店舗に足を運ぶことが難しかったり家にいる時間が長いシニアのお客様にとってもECでのショッピングは親和性が非常に高いのではないかと考えています。

―最後に、今後のEC事業の中でACROVEにどのようなことを期待されるか教えてください!

勝田 様:現在はAmazonでの運用に関する情報やノウハウの提供を中心にサポートいただいていますが、今後はより実務の運用代行の面でもサポートいただければと考えています。加えて、今後は私たち自身が自立し、自分たちでEC事業をドライブしていくことができる形をゴールにしていますので、1年後を見据えた知識のインストールやルーティン運用のオペレーション確立といった部分でノウハウを伝授いただければ嬉しいですね。

―中村さん、勝田様の言葉を受けて、改めて「節辰商店」をご担当されたときの気持ちと、今後の更なる売上拡大に向けた抱負を聞かせてください。

中村:2022年からAmazonの立ち上げでご支援させていただき、あっという間に2年が過ぎました。初めはAmazonで売上が本当に上がるのか?という状況から一緒にプロジェクトを回し、どうすれば商品の魅力をECで伝えることができるのか?を議論しながら進めていき、結果多くの方々へ商品の魅力を伝えることができました。

今後は新たに展開した楽天市場でAmazon以上にお客様へこだわりの商品を届け、引き続き愛知ブランドを全国に広めていくお手伝いができればと考えております!

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