皆様はECサイトがどのような仕組みで作られているかご存知でしょうか?
今回は、ECサイトを支えるシステムの構築を行う Digital-Free株式会社 (以下、「Digital-Free社」)の
代表取締役社長 柴田氏にお話を伺いました。
Digital-Free社は、2024年4月にACROVEにグループジョインしました。
今回は、Digital-Free社の紹介とグループジョインの背景について、ご紹介します。
そもそもAdobe Commerce(Magento)とは?
柴田氏:
一言で言うと、”ECサイトを作るためのソフトウェア”です。ECサイトには、商品ページやカートページなどがあり、さらにはその中にサイズやカラーの表示、配送先の指定や決済情報の入力画面などがあるのですが、それらを実装することができるソフトウェアになります。日本では、花王さんやミキモトさんなど名だたる企業がAdobe Commerce(Magento)を採用されています。
ACROVE:
ECサイトは、そのようなソフトウェアを使って作られているのですね。「Adobe Commerce(Magento)」とのことですが、Adobe CommerceとMagentoは違うものなのでしょうか?
柴田氏:
基本的にはほぼ同じもので、無償版がMagento、有償版がAdobe Commerceとして区別されています。
この背景としては、元々このソフトウェアはMagento社が提供しており無償版と有償版が存在していました。その後、Twitter(現X)を作ったジャック・ドーシー氏が立ち上げたPayPal社とともにeBay社が買収し、さらにその後Adobe社が買収しました。そして、オーナーであるAdobe社が有償版のMagentoを「Adobe Commerce」という名称に変更したため、現在は有償版がAdobe Commerce、無償版がMagentoとして区別されています。ちなみに、Adobe Commerceは高度な機能やサポートが含まれたエンタープライズ版で、Magentoは機能を自由に利用・カスタマイズできるオープンソース版です。
Adobe Commerce(Magento)は一体誰が使っている?
ACROVE:
オープンソースソフトウェアということは、世界中で広く使われているのでしょうか?
柴田氏:
おっしゃる通りです。最近ですと、「Shopify」が有名ですが、実はShopifyが台頭する前は世界トップシェアは「Adobe Commerce(Magento)」でした。日本では、あまり有名ではないのですが……。
ACROVE:
世界と日本でギャップがあったのですね。
柴田氏:
日本では言語の壁があったみたいです。Magentoはオープンソースのため拡張性が高いという大きなメリットがある一方、参考となる情報や説明が英語で書かれているというデメリットがあります。英語を読める人はいても、英語でシステムを構築できる人は日本では数が限られるため、なかなかトライする人が少なかったようです。
カンボジアでの出会いと
日本でのビジネススタートの契機
ACROVE:
日本でAdobe Commerce(Magento)のビジネスをスタートするには、そのような懸念があったのですね。それでも日本でビジネスをしようと思った理由はなんだったのでしょうか?
柴田氏:
Adobe Commerce(Magento)というソリューションに対するニーズは、日本にもあると確信していたからです。
Adobe Commerce(Magento)を知ったきっかけは、カンボジアに滞在していたときのことです。10年ほど前、カンボジアではAmazonのようなECモールはもちろん、自社ECサイトもほとんど普及していませんでした。ECといえば、掲示板でのやり取りが主な状況だったのです。そこで、日本以外の国ではどういったECシステムが使われているのだろう?と疑問に思い調べた結果、Adobe Commerce(Magento)にたどり着きました。Adobe Commerce(Magento)は日本ではあまり使われていないものの、世界ではメジャーなソフトウェアということを知り、日本でも必要とする企業が必ずあるはずだという想いから、日本でAdobe Commerce(Magento)構築ビジネスを始めました。
ACROVE:
実際に日本でビジネスを始めていかがでしたか?
柴田氏:
最初はクラウドソーシングで案件をいただき、それと同時並行でAdobe Commerce(Magento)の認知活動を行うところから始めました。その結果、今ではありがたいことに、お客様の方からご相談をいただくことが増えてきました。
Digital-Free社がAdobe Commerce(Magento)で
叶えられること
ACROVE:
実際にはどのようなご相談があったのですか?
柴田氏:
実際にご支援させていただいた内容ですと、例えば、BtoB向けでは、バルク割り引きや取引企業に応じた見積もり機能を搭載したサイトを構築しました。いわゆる受発注管理システムのイメージです。BtoC向けですと、物販のサイトや、デリバリーサービス用の店舗受け取り機能を導入したサイトを構築させていただきました。競合のShopifyと比較した際、Adobe Commerce(Magento)では、物販に限らず受発注管理システムや予約サイトも構築できる点がユニークな点です。
あとは、グローバルなツールのため、越境ECや多国籍ビジネスといった海外ビジネスにも強いというのが特徴です。とくに真価を発揮するのが、画面上で現地通貨表示ができても実際の決済は現地通貨ではできない、といった場合があるのですが、Adobe Commerce(Magento)では、きちんと現地の銀行口座から現地通貨で引き落としができる、というように現地通貨での決済対応が可能になっています。
ACROVE:
非常に高度な設定も可能なのですね。
柴田氏:
そうですね、設定で適応できる範囲が極めて広い上に、さらにはオープンソースであるがゆえの無限の拡張性も備えています。
人が資本。
Digital-Free社がトップ構築ベンダーになれた理由
ACROVE:
カスタマイズできる幅が大きい分、クライアントの高度な要望にも耐えられる強度を確保するのは大変ではないですか?
柴田氏:
たしかに設定が複雑だったり、修正の難易度が高かったりするのですが、日本での黎明期からAdobe Commerce(Magento)を取り扱っているメンバーが複数名いるため、経験値豊富で技術面においては自信があります。
たとえば、3ヶ月間治せなかったバグを直したり、対応可能ベンダーが見つからず頓挫しかけていた案件を立て直したといったケースもありました。”Digital-FreeはAdobe Commerce(Magento)の駆け込み寺”というパターンが、定着してきました。
Digital-Free社とACROVEでともに描くECの未来
ACROVE:
デリバリークオリティが非常に高いのですね。
そのような業界トップ企業が、どうしてACROVEをビジネスパートナーに選んだのでしょうか?
柴田氏:
まず第一に、ACROVEはEC関連事業者のため、ビジネスパートナーになることによるシナジーが明確だったからです。
現在、ECのビジネスモデルとしては、集客や認知獲得が強いAmazonや楽天などのECモールへの出品と、データ活用や自社カスタマイズが柔軟にできる自社ECサイトでの販売、この両軸を事業のメインとしている企業様が多数です。そのため、ECモールと自社ECサイトをカバーしているACROVEとでしたらEC全体をビジネスのフィールドにできるという点に魅力を感じました。
また、会社の文化として、ACROVEは若い社員の方が非常に多いので、若さ故のパワーや独創性によるスピード感・エネルギッシュさがあったことも理由の一つです。ビジネスを拡大するためには、それらも重要な要素のうちの一つだと考えているため、成長スピードの早さを感じるACROVEとであれば、ビジネスが広がる未来が描けたというのが決め手になりました。
Adobe Commerce(Magento)では、他のEC構築ソフトウェアではできないことを実現させることができます。ACROVEとともに、日本のEC業界に新風を吹き込み、盛り上げていきたいです。
ACROVE:
弊社のCX事業(EC支援事業)で主に支援させていただいているAmazonや楽天、Shopifyなどは、プラットフォームやツールの特性上、決められたフォーマットや型をベースに戦略を練る考え方となります。そのため、拡張性やカスタマイズ性が群を抜いて高いAdobe Commerce(Magento)のご支援が可能になったことで、我々がご支援できる幅が一気に広がりました。Digital-Free社とご一緒させていただくことで、EC支援会社として一歩前に進めたと考えております。
よりパワーアップしたDigital-Free社×ACROVEで、クライアント様およびEC業界に貢献できるよう邁進してまいります。
Adobe Commerce(Magento)プロフェッショナル
Digital-Free社の皆様
左から、王氏、柴田氏、長瀬氏